熊本大学薬学部
 
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2003年11月

いんどじゃぼく(Rauwolfia serpentina)
きょうちくとう科(Apocynaceae)


『大黄が 霜月入り 元気ずき』(河童)
 インドジャボクは、根をラウオルフィアと言います.1952年にラウオルフィアアルカロイドのレセルピンが単離され、インドの民間薬から一躍世界の薬用植物として注目を集めました.レセルピンは降圧薬、中枢抑制薬として、アジマリンは、抗不整脈薬として用いられています.民間薬として根が、蛇や毒虫に噛まれたときや解熱に使われています.
 インドジャボクは、インド、ビルマ、タイ、マレー半島、ジャワ等の熱帯アジア産で、常緑の低木です.根は少しねじれた直根で、これが蛇に似ているのでしょうか?.花は白又は淡赤色の筒状で、腋生する長柄の集散花序につき、小柄と蕚は類赤色です.液果は熟すと黒くなります.熊本では、冬は地上部が寒さで枯れ、根はかろうじて路地でも生き、毎年写真のような花を咲かせ、実をつけてくれます.
 キョウチクトウ科は、植物が毒を持つものが多く、有毒植物ですが、インドジャボクのように薬としても用いられるものもあります.このように”毒と薬は紙一重”です.健康食品も薬用植物を用いるもにが多いようです.”薬”と名の付く植物は、毒性と薬用(有効)の量の差が小さいものです.普通食べている穀類、野菜、果物は毒性を示すまでの量に大変幅があり、沢山食べてもお腹が一杯になる程度で、頭痛、嘔吐、下痢など身体に変調をきたすことはほとんどありません.

 これから風邪のシーズンです.肉、魚もですが、それ以上に野菜(根物、葉物、実物)を満遍なく、温かい状態(煮る、炒める等)(鍋が最高)で食すことで免疫力を高めることになります.
 風邪を防ぐには、普段の生活で1)ウガイ、2)手洗い、3)室内の換気と湿度、4)厚着をしない、5)規則正しい生活をすると書いてあります.しかし、学生さん、忙しい方々は、食事がコンビニ弁当、インスタント、冷凍等、それに栄養不足を補う、更に元気を出すために、ドリンク剤、健康食品では免疫が落ちるのは当然です.もう少し基本の1)野菜類を温めて食べる.2)背中を冷やさないように気を付けることが肝心です.
 もし、背中がゾクと来たら、すぐ身体を温めて、汗をジワーと出し、特に背中が冷えないように温めて養生を半日もすれば治ります.風邪薬を飲んだからと言って、夜遊びに行くと治るどころか風邪を引き込み、ひどいめにあります.たった半日、数時間の養生と、きちんとした食事で、楽しい生活が送れます.皆さん試してみませんか?  

熊薬インドジャボクのHP
インド蛇木1
インド蛇木2

写真2003年10月14日(熊本大学薬学教育部附属・薬用植物園)撮影
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants)・矢原 正治,2003.10.31)
 
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