熊本大学薬学部
 
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2003年5月

おきなぐさ (Pulsatilla cernua)
きんぽうげ科 (Ranunculaceae)


『阿蘇の野に オオルリシジミ舞い サクラソウ咲く』(河童)
 熊本ではタンポポの種子が風に舞うようになりました.それと同時に,薬用植物園の翁草(オキナグサ)も白髪を増しています.阿蘇の草原にも多くのオキナグサが見られます.その回りを,ワラビ,クララの芽,キスミレの花などが囲み,わたげがそよ風になびいています.今年の連休は,天気も良さそうで,ワラビ狩の大人たちと,草原には元気な子供たちの声がひびくでしょう.
 今月の薬用植物は,オキナグサです.翁草の名前のとおり,花が終わると老人のような立派な白が頭になります.白髪は雌しべです.雄しべは受粉が終わるとどこかへ飛んでいってしまいます.動物の雄も同じですね.
 生薬名を白頭翁(ハクトウオウ)といい,オキナグサの根を乾燥したものを用います.中国ではPulsatilla chinensis(ヒロハオキナグサ)の根を白頭翁といい,性味は苦・寒,清熱し血を涼める,解毒する効果があり,消炎,止血等を目的に使用される.また,茎葉も,白頭翁茎葉といい,腰膝肢節風痛(腰,膝,四肢の関節の痛みやしびれ),浮腫,心臓痛を治すとされています.
 現在中国で流行しているSARS(新型肺炎)の中国での薬として,板藍根(バンランコン)等がもちいられ品切れになっています.中国で用いられている中医の処方中の生薬として,板藍根,金銀花,連翹,荊芥,黄耆,沙参,防風 ,朮 ,十薬,防風,薄荷,甘草,黄ゴン等が配合されているようです.
 昨日多くのかたが中国から退去帰国されていました.簡単に入国していたようですが,感染者はいないことを祈っています
 学生さんに講義,実習中に気を余り感じません.入学して大学に対し期待外れは多々あるでしょう.満足できない(落胆した)からといって,自分の気を出さなくする(あきらめる)のは,早すぎるのではないでしょうか.分からないのは当りまえでは,だから大学に学びに来たのでは.自分で理解し,一つでも二つでも,自分で応用・実行できるものをつかんで欲しいものです.ロボットの様な,覚えるだけ,ベルトコンベア−に乗ったような勉学をするのではなく.学部時代は,化学(科学)の基礎を大切にし,身に付けて欲しいですね.

写真2003年4月13日(高知県立牧野植物園にて)撮影
(資料,写真・文章責任 薬学教育部・付属薬用植物園(Medicinal Botany and Ethnobotany )(Molecular Evaluations of Medicinal Plants),・矢原 正治,2003.5.1)

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