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2003年3月

きばなおらんだせんにち(Spilanthes oleracea Jacq.)
きく科(Compositae)


『平和とは 幸せなもの 森の中』(ネパ−ルにて河童)
 早いもので3月です.桃の節句の3月3日,日本ではモモの花は咲いていません.先日(2/10−17)ネパ−ルに行ってきました.なんとカトマンズでモモが満開でした.寒いと思っていましたが,鹿児島より暖かいのですね.カトマンズから南へ向かう標高1500m位の民家の横にあったモモの花です.バックには頂上までの段々畑が見事に連なり,天に向かって畑が続いています
 今月は,ネパ−ルで撮影した,キバナオランダセンニチです.花を噛むと最初は清涼感が漂うのですが,数秒すると口の中がカ−−と燃えてきます.歯磨き粉にいれられていました.食欲増進,腎臓の薬として用いられています.日本では民間薬として,食欲増進等に用いられます.写真は野生種ですので,花が小さく,辛みも強いようです.噛んだ後,ここだったら,糞尿がかかっているかもねといわれ,それで旨いのかと納得もしました.撮影した場所が民家のすぐ横です.
 薬草園にも10年ぐらい前まで圃場に沢山ありましたが,今は鉢で細々と生きています.今年は復活し,学生さんに一度味わってもらいたい植物です.
 キバナオランダセンニチは,東南アジア原産の草本で,観賞用,薬用,香辛料として日本で栽培されています.明治初期に渡来したようです.よく似たオランダセンニチは江戸時代天保年間には知られていたようです.茎は根元より多数分枝し,高さ約30cmになります(ネパ−ルの野生種は,10cm位で,地にへばりついていました).葉は濃緑色,卵形,縁に浅い鋸歯があり,対生[茎から葉が対になって両方にでる.(互生:交互に葉がでる)]します.日本では7−9月に楕円形の黄色な頭花をつけます.ネパ−ルでは一年中咲いているのでしょうか? 葉や花は刺激性の辛みと独特の風味があります.
 3月で,熊薬が終りと思っている方がおられるかもしれませんが,4月からもきちんと存在します.これからも学部学生は熊本大学薬学部に在籍します.花咲く春が楽しみです.

写真2003年2月12日(ネパ−ル)撮影
(資料,写真・文章責任 薬学研究科・分子機能薬学・創薬 基盤分子 設計学講座・矢原 正治,2003.2.27)

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