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2003年1月

びわ(Eriobotrya Japonica Lindl.)
ばら科(Rosaceae)


めじろ舞う 春のかほりか びわのはな(河童)

 未(ヒツジ)年ですね.ゥメ−ェ−と少しでも空気の良いところで過ごしたいですね.
 ビワは漢名枇杷の音読みで,四国〜九州の石灰岩地帯に野生のものがありますが,通常は栽培されています.栽培種は数多く,常緑の高木で,高さ10m位,枝は横に広がります.花は熊本では12月半ば頃から咲き始め,1月まであります.花が咲いたことを気づかせてくれるのは,メジロの飛来です.謡ながら,かろやかに蜜をすい,花から花へ移動しています.
 ビワは江戸時代は,”枇杷と桃,葉ばかりながら,暑気払い”と川柳に歌われました.枇杷,桃は,葉に暑さを除く作用があるとして珍重されたようです.ビワの葉は,民間薬で,あせも,打ち身,捻挫,せき止め,暑気あたり,胃腸病に.果実は,疲労回復,食欲増進に用いられます.また,葉を裏返して,白い方を上に向け,靴底替わりにいれると,登山などの際,足の疲れがとれるといいます.私はまだ経験ありませんがお試し下さい.種子には多量の青酸配糖体のアミグダリン(amygdalin)が含まれています.葉にも少量ですが含まれています.長崎県は,ビワの特産地で果実は食用に,種子,葉は民間薬として薬用に用いられています.
 農水省が,学校給食の「食」の講師のボランティアを募集しています.農家,栄養士,衛生士などから[熊本日々新聞2002年12月29日版より].学校薬剤師は食に関しても,もっとしっかりした啓発ができるように講義できればと感じています.経歴がわかる地元の農産物を給食に使うことが必要でしょう.
 2002年11月25日から”漢方とハ−ブ(初級編)”のゼミを始めました.第一回目の出席者は10名(全員が薬剤師のみ)でしたが,2回目は2,3年生の学生さん3名と薬剤師の方8名で屠蘇散[桂皮(ベトナム一級),陳皮,山椒,蒼朮,桔梗,防風,丁子]を作りました.生薬の食味はばっちりでした.飲んでおいしかったかは次回に.3回目は,1月27日で,ハ−ブは”七草とお節料理”です.

写真2002年12月23日(宇部)撮影
(資料,写真・文章責任 薬学研究科・分子機能薬学・創薬 基盤分子 設計学講座・矢原 正治,2002.12.31)

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