熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物 / バックナンバー一覧 / バックナンバー
ワード検索
今月の薬用植物 今月の薬用植物トップ
バックナンバー薬用植物園

2001年4月

もも(Purunus persica)
ばら科(Rosaceae)


 あっというまに春が来た.20度を越すことも少なくない.昼間はエアコンを入れて車を走らせ、夜はヒ−タを入れないと肌寒い時もある.今は桜(ソメイヨシノ)が満開である.桃は果肉を食用にするだけでなく、薬用として種子、葉、花が用いられる.種子には、2月で紹介したウメと同じ成分の青酸配糖体、アミグダリン (amygdalin) を含む.アミグダリンは、他に、ウメ、ビワ、アンズ等の種子に含まれ、鎮咳などの作用がある.一時期ガン細胞に対し増殖阻害作用をしめすことより、抗腫瘍活性が有るとして、ガンの治療に良いと騒がれたことが有る.葉はあせもに「浴剤」として(新鮮葉)、また、花または蕾を緩下剤として用いる.漢方では種子を”桃仁”(トウニン)と言い、消炎性駆お血、通経、緩下、排膿を目的に、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯等に配合される.3月3日の桃の節句には桃の花は咲いていない.今年は旧の節句が3月の27日だった.このころ西日本では満開になる.桜が咲くころには小さな果実が出来ている.写真は'97年に中国で食べたものを庭に蒔いたものである.桃栗3年柿8年というが確かにあっている.
 近ごろ女子学生の冷性、生理痛が多い.大学に入学してひどくなっているようだ.ストレス、食生活等から来るものなのだろうか.冷え、生理痛の改善には、上記の桂枝茯苓丸と当帰芍薬散が最もポピュラ−である.試したい人がいたら、相談にのります.
  引っ越しで(1F→3F)ぎっくり腰になった.芍薬甘草湯でだいぶ楽になったが、効いたからと無理をすると夜こたえる.頓服的に効くものである.

 4月1日から大学院、分子機能薬学専攻がスタ−トする.前途多難ではあるが、楽しみでもある.桃のように3年で花を咲かせるか、柿のように8年かかるか、それとも無花果のようなものになるか、周囲の協力が必須である.頑張り次第だ.

(資料:写真提供 薬学研究科・分子機能薬学専攻・創薬基盤分子設計学講座・矢原正治,2000.4.1)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

トップページへ戻る


 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内