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2001年2月

うめ(Prunus mume Sieb. et Zucc)
ばら科(Rosaceae)


ウメは、春(1−2月)に花を楽しみ、梅雨の前に青梅を梅酒、さらにもう少し熟して 梅干しにする.万葉の歌の中に烏梅(ウバイ)などとあるのは薬用の梅のことであ る.ウメの花は歌詠みの関心の的であったが、烏梅のように真っ黒のものを歌に詠ん だのは面白く、不思議である.烏梅の中国読みのウメイからウメ(ムメ)になったよ うである.ラテン名はオランダ人のシ−ボルトが命名している.紅梅も美しい.水前 寺公園の梅園の梅が中旬には見ごろになることだろう.烏梅、梅干しは昔から、保存食、薬として用いられてきた.疲労回復、健康保持、風 邪などに用いる.バラ科の仲間はシアン配糖体(amygdalin)を含む.未熟の時は、 果肉にも、種子は完熟しても入っている.遺伝子を守る植物の防御物質である.薬用 では鎮咳、去痰作用がある.近ごろの梅干し?は、ほとんどが味漬け梅であり、本当 の梅干しは余り見かけない.ひどいものになると、中国から、塩漬けのウメを輸入 し、その塩を水で除き(中の成分も一緒の無くなる)それに添加物を加え味付けした ものが、味漬け梅で売られている.添加物の塊のようなものも有るので買うときは、 内容説明表示を確認するなどの注意を要する.

ロウバイ[蝋梅(Chimonanthus praecox) ろうばい科(Calycanthaceae)](写真 下)は、1月の中旬から花をつける.蝋で作ったような半透明な花である.よく見る と赤橙色の輪が花に入った、綺麗な花である.今開催中の植木市で、花をつけている のが、このロウバイと、ツバキ、マンサクである.2月に入るとウメが咲き始める、 今年は寒波のお陰で開花が平年並である.ロウバイも蕾を咳止め等の薬用に用いる.花も色んな角度から観察すると発見が有るので楽しい.

(資料:写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,2000/1)
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