熊本大学薬学部
 
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2000年4月

かいけいじおう (Rehmannia glutinosa Lib.)
ごまのはぐさ科(Scrophulariaceae)

 中国ではカイケイジオウ(写真上)の肥大根を乾燥したものを地黄と言う.日本,韓国ではアカヤジオウ(平成10年7月掲載,写真下)を意味する.補血,強壮,解熱薬として,八味地黄丸,六味丸,十全大補湯,四物湯などに配合し用いる.また,日本では武田薬品が品種改良(遺伝子組み換え)したフクチヤマジオウが有名である.成分はイリドイド配糖体のCatalpol, Rhemannioside A-D, aucubinなどを含む.
 ゴマノハグサ科の他の薬草として 平成9年5月に紹介した ジギタリスがある.また,園芸植物にキンギョソウがあり,これから花を楽しませてくれる.
 大学の構内は,常緑樹の落葉が始まる.すでに花を終わらせたオガタマノキの葉が落葉を始め新芽が出始めている.次はクスノキである.玄関前にある大木の落葉は,例年大変な量になる.ただ,今年は昨年9月の台風のせいで半分ぐらいしか葉がついていない.クスサン(蛾)も発生はしないだろうから,樟の新芽が鮮やかな季節を迎える.
 阿蘇の野焼きも終り,外輪山ではキスミレ,ハルリンドウなどが咲き始める.脊梁の山々ではフクジョソウ(H9.1)が終り,3月終りにはマンサクが咲いている.4月中旬からカタクリ(H8.4),そしてヤマシャクヤク,シャクナゲ,各種ツツジの時期である.5月のミヤマキリシマの花も楽しみだ.
 人間は動物,植物,微生物の生命から命をもらい生きている.人間は環境とは共生はできない.地球環境の破壊を繰り返すだけであるが,特にこの100年で科学の発展と平行して加速しすぎた環境破壊のスピ−ドを21世紀でどれだけ押さえることができるか.科学する薬学の場で環境ISO14001を皆さん一人一人が学び,考え,実行してみようではないか!

あかやじおう (Rehmannia glutinosa Lib. var. purpurea Makino)
かいけいじおう (Rehmannia glutinosa Lib. var. hueichingensis Chao et Schih)

補血薬とは: 血が不足することによる病態を改善する薬のこと.主に血液に関係の深い心臓と肝臓の血を補うと考えられる.一般的症状は,頭のふらつき,めまい,不眠,健忘,動悸,顔色にツヤがない,唇や爪の色つやが悪い,月経周期が遅れる,月経過多,無月経などである.当帰,地黄(熟地黄),何首烏,白芍薬,阿膠,竜眼肉などの生薬が知られている.


(資料・写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,2000/3)
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