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2000年1月

りんどう (Gentiana scabra Bunge var. orientalis Hara)
りんどう科 (Gentianaceae)

 2000年,明けましておめでとうございます.今年もよろしくお願いいたします. この写真のリンドウは,1999年11月にセリ科の植物を探しに阿蘇外輪山に行った折に見つけました.胸まで生い茂った牧草の片隅の日当たりの良いところに咲いていました.阿蘇の五岳が奇麗に見える場所です.リンドウは太陽の光が当たると花が開きます.曇りの時は閉じていますので,家に置くときは日当たりの良いところに鉢,生け花を置くと奇麗な花が観賞できます.
 リンドウは,生薬では根を竜胆といい,苦味健胃薬,消炎,鎮静薬として,漢方薬では疎経活血湯,竜胆瀉肝湯などに配合されます.苦味配糖体(イリドイド配糖体)のgentiopicroside(=gentiopicrin)等を含みます.民間薬では食欲不振の時にセンブリ,リンドウの根等を用い,大変苦いので唾液と胃液が沢山分泌され,胃の働きを良くし消化を助けます.

「今月の薬草」も平成8年2月のツバキ(ヤブツバキ)から始めて早いもので4年になります.リンドウで48個目です.4年間の間に阿蘇,九重,脊梁の野草が乱獲され随分減りました.薬草園のホームページ(http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusoen/plants.html)にも少し写真が有ります御覧下さい.
 富士の薬用植物,四季の花のホームページを紹介します(昭和大学薬草園,磯田先生のホームページ http://www.mfi.or.jp/isoda/fuji1.html).
 今年もご遠慮なく,文章,写真に対して御意見を下さい.また,「この植物を取り上げて」などのご希望もお待ちしています.

[余談1]正月のお節料理は何を食べられましたか?この中には多くの薬草が入っています.先人が一年を健康で健やかに過ごすために考えた智恵でしょう.食べるときにどれが薬草か考えてみて下さい.屠蘇もやはり薬草,構成生薬からみると二日酔いにも良いようです.ただ,正月はどうしても食べ過ぎ飲み過ぎになります.七草粥で胃腸の調子を戻しましょう.(先人の知恵に敬服)今年は先人の知恵を一つでも科学的に解明できればと思っています.

[余談2]五苓散:身体の内部の水の変調を調整します.二日酔いによる胃腸内の水の停滞.風邪が腸に入ったとき等に起こる嘔吐下痢症.気候の変化などで起こる偏頭痛.車酔い,飛行機酔い等に大変効果があります.私の友人で五苓散の効果があまりにもみごとなので,服用した後漢方の信者になった人が何人もいます.お試しあれ.小児の嘔吐下痢症には少し(約1/3量)を上顎に指で塗り付けて下さい.
”2000年の抱負:気を長く,大きく”そのうち大発見が有るかも?綺麗な写真を提供できればと思っています.今年も宜しく

(資料・写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,99/12)

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