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1999年4月

やまざくら(Prunus jamasakura Sieb. ex Koidz., P. donarium Sieb. var. spontanea Makino)
ばら科(Rosaceae)


 
桜,桜,弥生の空は......4月はやはり花見である.花見といえばサクラ,代表格はソメイヨシノである.ソメイヨシノはヤマザクラの一種オオシマザクラとエドヒガン(ウバヒガン)の雑種であるという.食用としては果実をサクランボとして食べる.また,葉を塩漬けにしたものは桜餅に使う.桜餅の香りは,桜の葉の中の糖加水分解酵素により,クマリン配糖体(クマリンにブドウ糖が結合している)が分解され,クマリンが生成し,よい香りがする.薬用にも用いられる.桜のどこが薬用かと驚かれるであろうが,樹皮が用いられる.生薬名を桜皮(おうひ,Pruni Cortex)と言い,十味敗毒湯(柴胡,桜皮,桔梗,川キュウ,茯苓,防風,独活,生姜,甘草,荊芥)に配合される.この処方はアトピ−性皮膚炎のかゆみ止め,表の熱証,湿証による化膿などに用いられる.この中で桜皮は,温,解毒,収斂で皮膚疾患に,また桔梗,柴胡と共に,排膿,解毒,解熱作用を示す.熊本大学薬学部には,ソメイヨシノのほかに,シギザクラ,イトザクラ(シダレザクラ),チョウチンザクラ(バイゴジジュズカケザクラ),エドヒガン,ヤマザクラ,マメザクラが植えられている.また,阿蘇・白水には”一心行の桜”があり4月初旬が見ごろである.

写真1:ヤマザクラ(花弁が白い花)
写真2:ソメイヨシノ(花弁が淡いピンクの花)
(資料・写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,99/4)
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