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1998年9月

げんのしょうこ (Geranium thunbergii)
ふうろそう科 (Geraniaceae)


 
”現の証拠”,この薬草を飲むとたちどころにお腹の調子の悪いのが治る.民間薬として重宝される薬用植物である.5弁の花弁を持ち,花の色は西日本ではピンクから濃い赤,東日本では白で,中間色のものが中部・東海地方に分布する.どちらも薬効,有効成分量は変わりなく,成分のgeraniinなどのタンニンにより,止瀉,整腸を示す.ゲンノショウコは濃度が濃いと,止瀉作用を示すが,二番煎じの薄い液では下痢作用を示すので注意を要する.
 熊本では,阿蘇,九重の草原に行くと可憐な赤い花を見かける.今年は早いものは8月に種子を着けている.平地では,アメリカフウロソウが繁茂し,ゲンノショウコは見られない.アメリカフウロソウにも同じようなgeraniinなどのタンニンが含まれるが,がらが大きい分,成分量が少なく1/5ぐらいだと言われている.屋久島の稜線には白色の花を持つフウロソウの仲間がある(下の写真).
 これから,阿蘇の外輪山では,センブリ,ヒゴタイ,オミナエシ,フジバカマ,ハギ,ススキなどの秋の花が咲き,野山に行くのが楽しくなる季節を迎える.また,晴れたときの夜空は星が一杯で格別である.

(資料・写真提供 薬品資源学講座・矢原正治,98/9)

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