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1998年8月

こがねばな (Scutellaria baicalensis)
しそ科 (Labiatae)


 
今月は少し遅くなりました.今月の薬草はコガネバナです.花の色の紫はアントシアニジン骨格のテルフィニジンという化合物です.熊本では暑い7月から8月にかけて開花します.生薬部位は根で,黄金色をしていることより黄ごんと呼ばれます.”黄”の付く生薬は沢山有りますがその中でも有名な生薬の一つです.この黄色はフラボノイド類によるものであり,その中のbaicalin, baicaleinはアレルギ−に有効であることが分かっています.しかし,逆にこれらが多すぎるとアレルギ−を引き起こすことも知られています.漢方では三黄瀉心湯,黄連解毒湯,小柴胡湯など30種以上の処方に配合され,消炎,解熱などを目的に,充血,胃部のつかえ,下痢,腹痛などに用いられます.昨年の中国における生薬調査の際,柴胡の中に黄ごんが混入していることが有るとの説明を受けました.
ところで,中医病院で中葯の処方をもらい,それを薬局で調合してもらいましたところ,生薬の重量比では日本の約4倍ですが,煎じたエキスを飲んでみると,かなり味が薄く2倍程度ではないかと感じました.もし,興味のある方は中国旅行の際,確かめてみて下さい.ちなみに,そのときの診察代(外人扱いで)は,日本円で約3000円,薬代が約2000円(1週間分)でした.ちなみに中国人の診察料は10分の1位です.

(資料提供 薬品資源学講座・矢原正治,98/8)

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