熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物 / バックナンバー一覧 / バックナンバー
ワード検索
今月の薬用植物 今月の薬用植物トップ
バックナンバー薬用植物園

1998年7月

あかやじおう (Rehmannia glutinosa var. purpurea)
ごまのがぐさ科 (Scrophulariaceae)


 
ジオウ,滋養とつながるものがあるのだろうか?高さ20cm位の所に数個の花をつける.花はゴマノハグサ科独特の蜂が潜り込める様なトンネル状になり,毛が密生している.生薬では根を地黄と言い,八味丸,四物湯,炙甘草湯などに補血,強壮,緩下などの目的で用いられる.しかし,副作用として地黄により胃を痛める人がいるので注意を要する.成分には利尿,緩下,免疫抑制,酵素阻害などがそれぞれ報告されている.ジオウの根は元々は淡い茶色であるが,乾燥,蒸すなどの修治を行うと,成分のイリドイド類が変化して黒くなる.これで薬用酒を作ると黒い色をした酒になり,余り評判はよくない.クコ,イカリソウなどの方が綺麗なピンクや緑色になり好まれる.熊本では5月ごろに可愛い花を咲かせる.夏は蒸し暑いので根腐れを起こすことが多い.一時期菊鹿町で試験栽培が行なわれたが,商品にはならなかった.武田薬品が品種改良し栽培を可能にしたフクチヤマジオウは有名である.薬草は採って食べたり飲んだりするだけでなく,見ても身体の病を癒す作用があるのではないかと思われる.たまには,野山に行くか,植物園,薬草園を訪れ,植物に接してみるのもよいのではないだろうか

(資料提供 薬品資源学講座・矢原正治,98/7)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

トップページへ戻る


 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内