花は秋に葉に根元から咲き,覗いて見ないと分かりにくい.根を生薬で鬱金(ウコン)言う.「鬱金は血分の気薬に属し,諸々の血症の者を治す」などと言われ,活血の作用,又,気を利す作用があることより,利胆,芳香性健胃薬として,肝臓炎,胆道炎,黄疸,止血,又,通経薬として,吐血,尿血,経閉痛,腹痛などに用いる.最近では胃腸の調子を整える,癌に効くなど,ウコンと共に,ハルウコンが雑誌などに出ている.根を折ると黄色の色をしている.この色はcurcumin(クルクミン)であり利胆作用を有する.ウコンは食品としてTurmeric(タ−メリック)と呼ばれ,カレ−粉の原料である.カレ−の色が黄色いのはこのウコンの色である.カレ−が赤くなるとトウガラシが多くなる.カレ−の中には10種以上の香辛料(生薬でもある.クロ−ブ,シナモン,カルダモン,コリアンダ−,クミン,黒コショウ,トウガラシなど)が入っている.カレ−は野菜が一杯入り,多くの香辛料が入った大変良い胃腸薬もある.カレ−をいつもインスタントで作るのではなく,自分で野菜,香辛料,そして,肉を混ぜ合わせて自分流に作ってみるのも楽しいのではないだろうか.
(98/4 生薬学研究室 矢原)
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