4月に地面に接して茎の先から2枚の葉を左右に開き,その間からつり鐘状の花をつ
ける.葉はハ−ト形をしている.樹のかげの湿ったところに生える多年草.根および 根茎を生薬として用い,生薬名を細辛(さいしん)と言う.特異なにおいが有り,噛
むと辛く舌がやや麻痺する.水溶性エキスに抗アレルギ−作用,鎮咳作用,精油成分 に鎮静,解熱作用などが有ることが分かっている.漢方では解熱,鎮咳,去痰,新陳
代謝の亢進などを目的に,小青竜湯,麻黄附子細辛湯などに用いられる.小青竜湯は 涙目,鼻水などの顔中から水が滴り落ちるような風邪に用いることが有る.これからシ−ズンをむかえる花粉症などのアレルギ−性鼻炎に小青竜湯が合成薬との併用で用いられている.植物のラテン名のsieboldiは江戸時代日本にいた植物学者のシ−ボルトの名前から来
ている.二つの心を持ち,間から花を咲かせ種子を作るので,幸を呼ぶ植物なのかも 知れない.
(98/3 生薬学研究室 矢原)
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