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1997年11月

サフラン(Crocus satives)
アヤメ科 (Iridaceae)


 
六弁の紫色の花の中に赤い蛇の舌を出したような柱頭が3本たれ,中央に黄色の雄蕊が3本有る.地面からあまり離れずに花を10月から11月にかけて咲かせる.生薬には雌蕊の柱頭を用いる.生薬500gを得るのに約60000個の花が必要である.地中海からインドに自生するヨ−ロッパの生薬で,鎮静,鎮痛,通経薬として.また最近,アルコ−ルでの知能障害を回復させる等の作用がネズミを用いた実験で明らかになっている.また,柱頭は洋食の食品色素として用いる.サスランの柱頭の組織培養は広島大学・神田助教授らが成功している.九州では大分県の竹田市で栽培されている.
同じ様な名前の植物にイヌサフラン(Colchicum autumnale, ユリ科 Lilliaceae)がある.花は薄紫色で,柱頭が赤くないが花がサフランに似ているので.イヌサスランなどと,かわいそうな名前が付いたのであろうか?この球根には,染色体を倍数にするコルヒチンは入っている.種無し西瓜はこのコルヒチンで処理して作る.また,コルヒチンは痛風治療薬として用いられる.お世話になっている人は綺麗な花を忘れないで欲しい.サフラン酒にするとたいへん可憐な薄い赤色のカクテルが味わえる.寝付きが良くなるかも知れない?

(97/11 生薬学研究室 矢原)

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