熊本大学薬学部
 
  トップページ / 今月の薬用植物 / バックナンバー一覧 / バックナンバー
ワード検索
今月の薬用植物 今月の薬用植物トップ
バックナンバー薬用植物園

1997年10月

エンジュ(Sophora japonica)
まめ科(Leguminosae)


 
まめ科の落葉高木,北京の市内に行くと街路樹がほとんどエンジュである.エンジュの蕾は槐花と言い,収斂,止血などを目的に使われる.学生実習の生薬の実習で,槐花を熱水で抽出し,一夜放置するとルチンが取れたことを覚えている人は多いであろう.九州では,福岡市内の街路樹として赤坂の近くにある.中国では北京の他に天津にも植えられている.天津は日本で天津飯,天津甘栗の食品が有名であるが,天津にはもともとこのような食べ物はない.しかし,天津甘栗は数年前から秋に,また,天津飯はこの夏に新しいチャ−ハンとして出てきた.日本からの逆輸入である.天津は北京から南東約130km.車で約1時間,万里の長城より南には山が無く平たんな直線の高速道路を走る.夏には車窓からトウモロコシ,大豆(枝豆),ヒマワリ,コ−リャン,ヒエ,アワなどの畑が見える.そこには約1000万の人口の中心である天津市市街がある.市街は人口300万ぐらい,武田薬品,田辺製薬,ウチダ和漢薬,大塚製薬,トヨタ自動車の日本の工場も有り,日本人が2000人ほど暮らしている.天津市市街のエンジュは,北京と比べ排気ガスが少ないことも有り,木々は綺麗である.8月から9月にかけて花を咲かせる.今は実がたわわになっていることだろう.4月の中旬に芽を吹き,7月,8月の暑いときは格好の木陰になる(今年は39.9度まであがり,強烈な暑さだった).エンジュの木は道路,歩道を覆いつくし,緑あふれる町並みを作っている.何度見ても感激する景色である.日本のように大きくなるとすぐ切らないところが良い.天津は10月中旬には雪が降り,11月にもなるとエンジュの葉が落ちはじめ,冬にか緑一つ無くなる,乾燥した日が続く.天津市街から約50kmの所に天津新港がある.中国第3の港である.近くには何10kmと続く塩田があり,また,中国でも有名な油田でもある.車で走っても1時間とかくかかるであろうか延々と続く塩の田んぼである.ここも天津市である.97/8撮影

(97/10 生薬学研究室 矢原)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

トップページへ戻る


 
当ウェブサイトの著作権は、熊本大学薬学部に属します。 掲載内容および画像などの無断転載を禁止します。
熊本大学ホームページへ 医学薬学研究部へ サイト案内