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1997年3月

たちとうがらし
なす科(Capsicum frutescens)


 
写真はブラジルのパンタナ−ル地方に自生するたいへん辛いトウガラシです.現地では,鳥,動物が体調が悪いときに果実を食べに来て体調を治します.トウガラシの果実はたいへん有名な香辛料で,辛味成分のカプサイシン類を含むことはよく御存知のことでしょう.カプサイシン類には消化吸収を助け,身体を温め,さらに,脂質代謝を促進する作用などがあることがラットを用いた実験で明らかになっています.また,ほとんどが腸で吸収されると言われています.植物の組織培養細胞を用いグルコ−スと結合させたカプサイシン−グルコシド(カプサイシン配糖体)が開発されています.これは辛味性はほとんどなく,カプサイシン類をたくさん摂取できるという目的でインスタントカレ−のル−に入れ,食品にしている会社もあります.辛みの成分のカプサイシン類は種が付いている部分で作られます.果肉の部分には,腸での吸収を促進したり,弱いながら血圧を下げたりするような物質(capsianoside類)が多く含まれています.しかし,トウガラシをたくさん取り過ぎますと,辛すぎたり,胃腸を痛めたり致しますので,適量にして下さい.

(97/3 生薬学研究室 矢原)

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