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1996年6月

べにばな(Carthamus tinctorius)
きく科(Compositae)


 
女性の唇がほのかに赤いのを見ると,口紅の色素は何を使っているのだろうと思ってしまう.時代劇でハマグリの殻に小指をつけ,それで口紅を塗る姿を思い出す.昔はずいぶんと風流であった.今は紅花と言えばサラダ油を連想する.紅花の赤い色素は,脂溶性のcarthaminで,水溶性の黄色の色素のsafflor yellowが植物内酵素により変化してできる.生薬名を紅花と言い,通経,駆お血等を目的に,腹痛,婦人病に用い,折衝飲,通導散等に配合される.ベニバナの赤くなった花弁をアルコ−ルに浸し,それにガ−ゼを入れ,一夜放置し,取りだして水洗いすると,黄色い液が流れ,布は綺麗な紅色に染まる.昔は婦人病に効く植物で布を赤く染め,それで腰巻きを作ったのだろうか?

(生薬学研究室 矢原)

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