熊本大学
大学院生命科学研究部
環境分子保健学分野

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熊本市中央区大江本町5-1

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はじめに

 2013年9月1日付けで、髙濱和夫教授の後任として、環境分子保健学分野の教授を拝命し着任致しました。当分野は、昭和24年5月の熊本大学設立と同時に薬学部薬剤学科の一講座として開設された衛生化学講座に端を発しております。初代教授として酒井享次が着任されて以来、村田敏郎先生、山本陽先生、児島昭次先生、髙濱和夫先生が教授を歴任され、伝統ある分野です。
 三隅は、これまでヒト免疫不全ウイルス(HIV)の複製機構の解明と霊長類を用いたワクチン開発研究を行ってきました。HIV感染症に対して行われている抗HIV療法により、現在エイズで死亡する人は減少しました。抗HIV効果が高く、かつ薬剤耐性を獲得しにくい新薬が実用化されてきています。しかし、これらの治療薬を用いた治療法は根治療法ではありません。我々は、HIV潜伏感染細胞を感染者の体内から排除することを目的とした、基礎研究を進行中です。また、HIVの複製に大きく影響する宿主タンパク質の探索やHIVの複製と宿主免疫代謝との関係を調べ、多くの研究室の仲間の叡智を集結して、HIV根治療法の開発に「真摯」に向き合っていきたいと考えています。
 また、本分野では様々な感染症に対するワクチンの開発に向けたin vitro、in vivoの基礎研究を実施しています。粘膜免疫の誘導に「要」と考えられているM細胞へワクチンの抗原をデリバリーする技術を有しているのが我々の特徴といえます。我々は、製薬企業との共同研究も積極的に進めており、大学の研究成果を導出したいという高い意識を研究室の仲間と共有しながら、ワクチンの有効性と安全性を科学的なエビデンスをもって、わかりやすく「真摯」に明らかにしていきたいと考えています。
 本分野では、熊本の地からオリジナリティーの高い研究成果を世界に発信し、グローバルに活躍できる研究者・薬剤師を育成することを目標としており、ウイルス学、免疫学、衛生薬学、生化学といった広範な学問領域を、研究内容に応じて猛勉強することになります。本分野に興味を持たれた方、どうぞ御連絡ください。直接ラボに来ていただいても結構です。
                                            

令和2年11月

環境分子保健学分野 教授 三隅将吾