熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

マツ科
Pinaceae
アカマツ
Pinus densiflora Siebold et Zucc.
別名
メマツ,ミツバアカマツ
アカマツ
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  • アカマツ
  • アカマツ
  • アカマツ
英名
Japanese red pine, the Japanese pine, Korean red pine
中国名
赤松
花期
4~5月
生薬名
①ロジン【局】
薬用部位

①分泌物から精油を除いて得た樹脂,②葉

成分

樹脂酸(abietic acid, pimaric acid, palustric acid)

化学構造式

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  • アカマツ 化学構造式1
  • アカマツ 化学構造式2
  • アカマツ 化学構造式3
産地と分布

北海道南部~九州,および朝鮮,中国東北部に分布し,山麓から高所にかけて生える.

植物解説

常緑高木.樹高30~40 m.幹は直立する.樹皮は赤褐色でべっこう状の割れ目ができる.葉の形は細長い針状で,2本が対になって双生する.雌雄同種.枝端に2~3個の紫紅色の雌花を付け,その下部に雄花を群生する.球果は2年目の秋に熟す.

薬効と用途

ロジンは工業用をはじめスポーツや楽器に利用されるが,医薬品としてばんそうこうの粘着付与剤として利用される.高血圧の予防には葉350 gを刻み,グラニュー糖100 g,ホワイトリカー1.8 Lとともに瓶に入れ,3か月寝かせて松葉酒を作る.
材はクロマツに比べてやや軽く軟いが,材質が良いため建築,土木,造船,家具など広い用途がある.庭木や盆栽用として多くの園芸品種がある.

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