オトギリソウ科
Hypericaceae
ツキヌキオトギリ
Hypericum sampsonii Hance
- 別名
- ツキヌキオトギリソウ

- 英名
- Sampson St.John's wort
- 中国名
- 元宝草
- 花期
- 5~6月
- 生薬名
- 元宝草(ゲンホウソウ)
- 薬用部位
全草
- 産地と分布
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四国,九州,および台湾,中国,ベトナム北部,ミャンマー東部,インド島北部に分布し,山地の林縁や路傍に生える.
- 植物解説
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多年草.草丈20~100 cm.茎は円柱形で稜はなく,単生あるいは2~3本が叢生し,直立,上部で分枝する.葉は円頭,対生する葉は基部で広く合着し,大小の明点が多数入るか黒点があり,辺縁には黒点がある.花序は茎頂および枝先に1花序当たり1~9個が集散状に付き,径(6~)10~15 mm,鮮黄色で赤みを帯びることはない.蒴果は卵状あるいは卵状円錐形で,長さ6~9 mm.
- 薬効と用途
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清熱,解毒,止血作用があり,小児の高熱,細菌性下痢,腸炎,吐血,鼻出血,月経不順などに用いる.外傷出血,打撲傷,乳腺炎,火傷,毒蛇の咬み傷には生の全草をつき潰すか乾燥粉末を塗布する.中国で薬用にされる.
絶滅危惧種であるが,熊本県をはじめシカ食害が激しい地域では,シカの忌避植物であるため見かけることが多い.
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