熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

カニクサ科
Lygodiaceae
カニクサ
Lygodium japonicum (Thunb.) Sw.
別名
ツルシノブ
カニクサ
写真をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。
  • カニクサ
  • カニクサ
  • カニクサ
  • カニクサ
  • カニクサ
  • カニクサ
英名
vine-like fern, Japanese climbing fern
中国名
海金沙
花期
花は付けない
生薬名
①海金沙(カイキンシャ),②海金沙草(カイキンシャソウ)
薬用部位

①胞子,②全草

成分

全草にフラボノイド(tilianin, kaempferol),フェニルプロパノイド(p-coumaric acid

産地と分布

本州~沖縄,および台湾,朝鮮,中国,南アジア,東南アジア,北米(帰化)に分布し,山野,原野など人里近くに生える.

植物解説

つる性多年草.根茎は匍匐する.葉は蔓状に長く伸び,長さ2 mを超えることもある.葉柄は長さ30 cm,羽片は多数,先端は休止芽となる.胞子嚢を付ける裂片は辺縁に突出して付き,偽包膜に覆われる.

薬効と用途

胞子には解毒,利尿作用があり,尿閉,各種の淋疾,陰茎通,膀胱炎などに用いる.全草は尿路感染症,尿路結石,こしけ,水腫,黄疸,下痢などに用いる.

本種のつるでカニを釣って遊んだことからカニクサという.

参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。