熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

エゴノキ科
Styracaceae
エゴノキ
Styrax japonicus Siebold et Zucc
別名
ロクロギ,チシャノキ,オオバエゴノキ,シマエゴノキ,ホソバエゴノキ,ヒメエゴノキ
エゴノキ
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  • エゴノキ
英名
Japanese snowbell
中国名
野茉莉
花期
5月
生薬名
麻厨子(マチュウシ)
薬用部位

果実

成分

サポニン(jegosaponin A, B

化学構造式

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  • エゴノキ 化学構造式1
  • エゴノキ 化学構造式2
産地と分布

北海道~沖縄,および台湾,朝鮮,中国,フィリピンに分布し,山野に生える.

植物解説

落葉小高木.樹高810 m.幹は単幹または株立ち状で,枝は細くジグザク状.葉は互生,有柄で卵形または狭長楕円形で鋭尖.花は小枝先端に総状花序を出し,白色花が多数下向きに咲く.果実は楕円形で緑白色で10月に熟す.

薬効と用途

去痰薬となるが有毒であるため使用は避ける.

新鮮な果皮は泡立ちがよいため洗濯に利用されていた.果実のしぼり汁は有毒で,川に流すと魚が浮かぶため魚捕りに利用されたが,現在は禁止されている漁法である.材は緻密で粘り気が強く工作が容易であり,豊富に手に入るため様々な用途がある.別名にロクロギとあるが,ここでいうロクロとは傘の骨をまとめる部品のことで,かつてその材料になったことに由来する.

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