熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

イノモトソウ科
Pteridaceae
イノモトソウ
Pteris multifida Poir.
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イノモトソウ
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  • イノモトソウ
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英名
Pteris multifida Poir.
中国名
鳳尾蕨,井欄邊草
花期
花は付けない
生薬名
鳳尾草(ホウビソウ)
薬用部位

全草

成分

フェニルプロパノイド(4-O-caffeoylquinic acid),フラボノイド((2S)-5,7,3’,5’-tetrahydroxyflavanone),セスキテルペン((2R)-acetyl pterosin B

化学構造式

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  • イノモトソウ 化学構造式1
  • イノモトソウ 化学構造式2
  • イノモトソウ 化学構造式3
産地と分布

岩手県~沖縄,および台湾,朝鮮,中国,フィリピン,インドシナ半島,マレー半島に分布し,人家のそば,石垣の間,土塀の下,崖などに生える.

植物解説

多年草.草丈3070 cm.根茎は短く横走し,黒褐色の小鱗片を密生する.葉は二形あり,根茎から叢生し,栄養葉は柄とともに長さ2040 cm,胞子葉は柄とともに長さ4070 cmになる.乾いた洋紙質で胞子葉は2回羽状分裂し,裂片は線形で鋭尖,裏面葉縁に胞子嚢群を付ける.栄養葉は羽片が小さい.

薬効と用途

清熱,止血,解毒,消腫作用があり,黄疸性肝炎,腸炎,細菌性赤痢,吐血,血便,止血,鼻血,扁桃腺炎,耳下腺炎,腫れ物などに用いる.熊本県天草地方ではアマクサグサとよばれ,全草のアルコール漬けを打撲傷の外用薬とする.

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