熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ブナ科
Fagaceae
イチイガシ
Quercus gilva Blume
イチイガシ
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  • イチイガシ
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英名
No Information
中国名
赤皮
花期
4~5月
生薬名
薬用部位
成分
産地と分布

関東地方南部以西の太平洋側~九州,および台湾,済州島,中国に分布する.

植物解説

常緑高木.樹高30 m,径1 mに達する.樹皮は灰黒褐色で皮目が多く,大小不揃いな薄片となって剥げ落ち,波状の文様ができる.葉は互生し,倒披針形または広倒披針形で長さ6~14 cm,革質で鋭尖頭,上半部に鋭い目立つ鋸歯がある.雌雄同株.

薬効と用途

材は柾目の虎斑が美しく,器具や建築に利用され,強靭なため昔は舟の櫓に用いられた.堅果(どんぐり)は食べられる.神社や寺社に植栽されることが多いが,飢饉に備えて植えられているとの説もある.熊本県球磨地方では,本種のどんぐりから抽出したデンプンを固めた「イチイガシ豆腐」がある. 同地方では,戦時中にアルコールを作るためにどんぐりを集めさせられたという記録がある.また,細川藩で利用する槍の柄は天草地方のイチイガシから賄われていた.

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