熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ツリフネソウ科
Balsaminaceae
ホウセンカ
Impatiens balsamina L.
別名
ツマクレナイ,ツマベニ
ホウセンカ
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  • ホウセンカ
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  • ホウセンカ
英名
balsam, garden balsam, rose balsam, touch-me-not, spotted snapweed
中国名
鳳仙花
花期
6~10月
生薬名
①鳳仙(ホウセン),②急性子(キュウセイシ)
薬用部位

①全草,②種子,③花,④葉,⑤根

成分

ナフトキノン類(impatienol),花にアントシアニン(pelargonidin 3-monoglucoside, pelargonidin 3,5-diglucoside)

化学構造式

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  • ホウセンカ 化学構造式1
  • ホウセンカ 化学構造式2
  • ホウセンカ 化学構造式3
産地と分布

インド,マレー半島,中国南部原産で,各地で栽培される.

植物解説

一年草.草丈60 cm.茎は直立し,多肉質で軟弱,円柱形で太い.下葉は対生,上葉は互生か輪生し,有柄,披針形で鋭尖頭,長さ6~15 cm,鋭鋸歯縁.花は葉腋に2~3個,横かやや下向きに付く.花弁は5枚.蒴果は楕円形で,熟すと裂開して種子を飛ばす.

薬効と用途

全草は筋肉痛や関節痛,筋肉のけいれん,腫れ物などにもちいるほか,化膿性の皮膚炎には煎液で洗い,外傷やヘビによる咬み傷には生のまま外用する.喉に刺さった骨の治療には新鮮な汁を服用する.葉はカゼに用い,腫れ物には生の汁を外用する.種子は陣痛の誘発薬として利用されたほか,無月経や腹部の腫瘤,魚肉中毒の治療に利用する.喉に刺さった骨の治療には種子を噛んで飲み込む.虫刺されには花のチンキを外用する.根は打撲傷に用いる.

観賞用として世界中で栽培される.いくつかの園芸品種があり,八重咲き,わい性,斑入り,様々な花色のものがある.かつては子供が爪を染めて遊んだ.花をたたいて爪の上に載せ,ラップでくるみ翌朝取ると染まっている.カタバミやミョウバンを混ぜると色が濃くなる.ラップがない時代は,カキの葉または布を爪にかぶせ,シュロの葉を割いた紐で結んでいた.

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