熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ウラボシ科
Polypodiaceae
ヒトツバ
Pyrrosia lingua (Thunb.) Farw.
別名
イワノカワ,イワグミ,イワガシワ,イワクサ
ヒトツバ
写真をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。
  • ヒトツバ
  • ヒトツバ
  • ヒトツバ
  • ヒトツバ
英名
felt fern, tongue fern
中国名
石葦
花期
花は付けない
生薬名
①石韋(セキイ),②石韋根(セキイコン)
薬用部位

①葉,②根

成分

葉にキサントン類(mangiferin)、フラボノイド(trifolin, astragalin)

化学構造式

画像をクリックタップすると、大きいサイズで表示されます。

  • ヒトツバ 化学構造式1
  • ヒトツバ 化学構造式2
  • ヒトツバ 化学構造式3
産地と分布

関東地方~沖縄,および台湾,朝鮮,中国,南インド,インドシナ半島に分布し,やや乾燥した岩上や樹幹に着生する.

植物解説

多年草.根茎は長く横走し,鱗片を密に付ける.葉身は卵形から広披針形,胞子を付ける葉がやや幅狭くなり,全縁で革質,裏面は灰褐色の星状毛を密に付け,表面の毛は少ない.胞子嚢群は葉の裏面を覆う.

薬効と用途

葉は利尿作用があり,腫れ,むくみ,脚気,腎臓病に用いる.尿路結石,腎炎にも用いる.根は消腫,止血に応用される.

観賞用に栽培されることが多く,名前が付けられた多様な奇形がある.エボシヒトツバは葉身がねじれて展開するもの,シシヒトツバは獅子葉になるもの,ハゴロモヒトツバは葉の両面に披針形の突起が数対突出するもの,フイリヒトツバは表面に淡白色の不規則の斑紋が入るものである.

参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。