熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

オトギリソウ科
Hypericaceae
セイヨウオトギリ
Hypericum perforatum L. subsp. perforatum
別名
セイヨウオトギリソウ
セイヨウオトギリ
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  • セイヨウオトギリ
  • セイヨウオトギリ
  • セイヨウオトギリ
英名
St. John's wort
中国名
貫葉連翹
花期
4~7月
生薬名
①貫葉連翹(カンヨウレンギョウ)
薬用部位

①全草,②花または果実

成分

アントラキノン類(hypericin, pseudohypericin, protohypericin)

化学構造式

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  • セイヨウオトギリ 化学構造式1
  • セイヨウオトギリ 化学構造式2
  • セイヨウオトギリ 化学構造式3
産地と分布

ヨーロッパ~ロシア中央部,アフガニスタンに分布し,各地で栽培,野生化している.

植物解説

多年草.草丈約1 m.茎は直立し分枝が多い.葉は無柄,楕円形,全縁,透明な腺点があり,縁には黒色の腺点がある.枝の先に集散花序を出し,黄色の5弁花を付ける.葉弁と葯に黒い腺点がある.

薬効と用途

止血,利尿,収斂作用などがあり,吐血,リウマチ痛,やけど,胃・腸カタルなどに用いる.ヨーロッパでは,子供の夜尿症,不安症,更年期障害,月経前症候群,帯状疱疹,坐骨神経痛,線維筋痛症などに利用する.

多くの種類の薬剤の作用を弱めることがあるため注意が必要である.

動物が全草あるいは含有成分のヒペリシンを食べて光に当たると,皮膚に強い刺激,麻痺,炎症が起こり,死に至る.北米やオーストラリアではヒツジなどが牧草として食べて問題になっている.

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