熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

キク科
Asteraceae
コメナモミ
Sigesbeckia glabrescens (Makino) Makino
コメナモミ
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  • コメナモミ
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英名
No Information
中国名
光豨薟,毛梗豨薟
花期
9~11月
生薬名
①豨薟(キケン),②豨薟根(キケンコン),③豨薟果(キケンカ)
薬用部位

①全草,②根,③果実

成分

全草にジテルペン(darutoside, ent-16β,17-dihydroxykauran-19-oic acid

化学構造式

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  • コメナモミ 化学構造式1
  • コメナモミ 化学構造式2
産地と分布

北海道~沖縄,および台湾,朝鮮,中国に分布し,荒れ地や道端で見られる.

植物解説

一年草.草丈50~100 cm.茎葉にはわずかに毛が見られる.茎は直立し,紫褐色.葉は対生し,有柄,卵円形,長さ5~13 cm.枝先に円錐状の集散花序を出し,小さな頭花を多数付ける.花冠は長さ1.5~2.5 mm,黄色.そう果は曲がった倒卵形,長さ2 mm.

薬効と用途

全草は降圧作用があり高血圧症に用いるほか,筋骨の痛み,肝炎,出来物などに用いる.根はリウマチの疼痛,運動麻痺,頭痛,やけどなどに服用,外用する.果実は回虫駆除に用いる.

葉を壷に入れ,上から蜂蜜,酒をかけてさらに葉を入れ,交互に繰り返して壷を満たし,数日後発行した葉を撮り出して乾燥させ,その後同様の操作を9回繰り返し,最後に乾燥粉末にし,粉末を蜂蜜で丸剤にした「豨薟丸」は古くから中風の妙薬として有名である.

同属のメナモミ(S. pubescens)は茎に開出する白毛が密生する.

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