熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ヒガンバナ科
Amaryllidaceae
ギョウジャニンニク
Allium victorialis L. subsp. platyphyllum Hultén
別名
ギョウジャノニンニク,アイヌネギ
ギョウジャニンニク
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  • ギョウジャニンニク
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  • ギョウジャニンニク
英名
Siberian onion
中国名
茖蔥
花期
4~5月
生薬名
No Information
薬用部位

鱗茎

成分

含硫化合物(dimethyl trisulfide, allyl disulfide)

化学構造式

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  • ギョウジャニンニク 化学構造式1
  • ギョウジャニンニク 化学構造式2
産地と分布

北海道,本州近畿以北,および韓国,中国,ロシア極東に分布し,深山の林下に生える.

 

植物解説

多年草.草丈40~70 cm.鱗茎は披針形で長さ4~7 cm.葉は扁平で長楕円形,長さ20~30 cm,幅3~10 cm.花茎の頂に散形花序を付ける.花被片は白色ときに淡紫色や淡黄色を帯びる.雄蕊は花被より長く,葯は黄緑色,花糸の基部に歯牙がない.

薬効と用途

滋養強壮に薬用種を飲用する.採取した鱗茎の倍以上の容量の瓶を用意し,切らずにそのまま瓶の半量まで入れる.鱗茎の約1割の重量のグラニュー糖を入れ,ホワイトリカーをいっぱいに注ぐ.冷暗所に置いて,2か月後から服用する.

鱗茎,葉ともに山菜として知られる.山岳信仰の行者が荒行に耐える体力,精力を身に付けるため食べたことから命名された.一方で,本種を目的にした山菜採りで生じる事故や遭難が後を絶たない.

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