熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

サトイモ科
Araceae
マムシグサ
Arisaema japonicum Blume
別名
ヘビノダイハチ,ヤカゴンニャク,ムラサキマムシグサ,アオマムシグサ,ヤクシマテンナンショウ
マムシグサ
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  • マムシグサ
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英名
No Information
中国名
蛇頭草
花期
3~4月
生薬名
天南星(テンナンショウ)
薬用部位

球茎

成分

無機質(calcium oxalate),デンプン

化学構造式

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  • マムシグサ 化学構造式1
産地と分布

四国,九州(トカラ列島まで),韓国(鬱陵島)に分布し,低地から産地までの林下や林縁に生える.

植物解説

多年草.草丈120 cmに達する.偽茎は葉柄よりはるかに長い.葉は通常2個,鳥足状に分裂する.小葉は9~17個,披針形~楕円形,両端は尖り,稀に細鋸歯がある.花序柄は葉柄とほぼ同長または長い.仏炎苞は葉身より早く展開し全体淡緑褐色から紫褐色,やや半透明で縦の白筋があり,筒部は円筒形で口辺部はやや開出し,舷部は筒部と同長または長く,卵形~狭卵形.花序付属体は有柄で棒状~太棒状,直立する.

薬効と用途

利水(水分代謝を正常にする)作用があり,脳卒中による意識障害,顔面神経麻痺,ひきつけなどに用いる.漢方処方の清湿化痰湯,二朮湯などに配合される.本種を基原とする天南星も漢方処方に配合される可能性がある.しかしながら,含まれるシュウ酸カルシウムの結晶は刺激性が強いため民間での服用は避けた方がよい.民間では腫れ物,肩こり,リウマチなどに粉末を酢で溶き患部に塗布する.

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