ミカン科
Rutaceae
カラタチ
Citrus trifoliata L.
- 英名
- trifoliate orange
- 中国名
- 枳
- 花期
- 4月
- 生薬名
- ①枳実(キジツ),②枳穀(キコク)
- 薬用部位
①未熟果実,②成熟間近の未熟果実
- 産地と分布
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中国中部の温暖帯に分布し,日本では生垣やミカン類の台木として植栽され,まれに山中に野生化する.
- 植物解説
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落葉低木.樹高2~3 m.枝に稜角があり硬く扁平で鋭いトゲを持つ.葉は有柄で複葉.葉より先に大形の白い5弁花を付ける.落葉時期の10月ごろに直径3 cmほどの球形の果実が黄し,芳香を放つ.
- 薬効と用途
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中国では枳実や枳殻の基原として本種が主に用いられる.日本では本種由来の枳実は薬局方の基原に適合せず,ダイダイやナツミカンが利用される.枳実と枳殻の区別や効能については複雑であるが,今日ではほとんど枳実が用いられている.効能もほぼ同じであるが,枳実が主に水分や食積などの滞りを下降させるのに対し,枳殻は胸のつかえや腹満感などの気の滞りを除く作用があるとされる.
未熟果実の果実酒も健胃薬となる.焼酎付けにするが,砂糖は加えない.
耐寒性,耐病性が強く,ウンシュウミカン,キンカン等の台木に利用される.生垣としても栽培される.
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