イネ科
Poaceae
ライムギ
Secale cereale L.
- 別名
- クロムギ,ナツコムギ
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- 英名
- rye
- 中国名
- 黒麥
- 花期
- 4~5月
- 生薬名
- 麦角(バッカク)
- 薬用部位
花に寄生して生じる菌核;バッカクキン
- 産地と分布
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南コーカサス,小アジア原産.
- 植物解説
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一年草.草丈1.2~2 m.稈は上部に細毛がある.稈頂に穂をつける.穂はコムギより長く扁平.頴果は帯緑褐色または紫色を帯,脱穀しやすく,長さ約8 mm,背面中央に1溝があり,先端に短毛がある点はコムギに似る.
- 薬効と用途
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バッカクキン(Claviceps purpurea)はライムギをはじめ,イネ科植物に寄生する子嚢菌.様々なアルカロイドを含む.その中のエルゴメトリンは陣痛促進薬,子宮収縮止血薬として,エルゴタミンは子宮収縮薬,血管収縮薬,片頭痛治療薬となる.
中世ヨーロッパではバッカクキンに寄生したライムギを食べることにより,恐ろしい中毒が起きている.麦角血管を収縮させる作用があり,手足への血行を妨げ壊疽を起こし,ひどい痛みもなく手足を失う.
ライムギは主にパンの原料として利用される.小麦粉のパンよりも色が黒く,黒パンと呼ばれる.そのほか,ウイスキーやウォッカの原料となる.
夏期冷涼な気候に適し,耐寒性が強く,乾燥した痩せ地にもよく生育する.
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