熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

サクラソウ科
Primulaceae
マンリョウ
Ardisia crenata Sims
別名
ナガバマンリョウ,オオマンリョウ,オオミマンリョウ,オオバマンリョウ,トガリマンリョウ,ハナタチバナ
マンリョウ
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  • マンリョウ
英名
Christmas berry, Australian holly, coral ardisia, coral bush, coralberry, coralberry tree, hen’s-eyes, spiceberry
中国名
珠砂根,朱砂根
花期
7月
生薬名
①朱砂根(シュシャコン),②朱砂根葉(シュシャコンヨウ)
薬用部位

①根(または全株),②葉

成分

根にタンニン(bergenin, 11-O-syringylbergenin, demethylbergenin

化学構造式

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  • マンリョウ 化学構造式1
  • マンリョウ 化学構造式2
  • マンリョウ 化学構造式3
産地と分布

関東以西~沖縄,および台湾,朝鮮,中国,東南アジア,インドに分布し,常緑樹林内に生える.

植物解説

常緑小低木.樹高30100 cm.茎は直立し,上方で開出する数個の枝を分ける.葉は互生し,葉身は長楕円形,長さ715 cm,幅24 cm,波状の歯牙の間には腺点がある.葉は両面無毛.花序は散形または散房状に分枝し,花序の下には普通23葉を付ける.花冠は白色,径8 mm5裂する.果実は球形,径68 mm,鮮紅色に熟す.

薬効と用途

根(または全株)は清熱,解毒,駆瘀血作用があり,カゼ,扁桃腺炎,ジフテリア,リンパ節炎,リウマチ,打撲傷などに用いる.葉は咳とともに出血する症状に用いる.打撲傷には新鮮な葉と酒をつき潰して,加熱して患部に塗布する.中国で薬用にされる.

結実性に優れ,実生個体から変り物が出やすく,古くから果実の色や葉の変化(葉形や斑)などの組み合わせで固有の園芸品種が多く栽培・維持されており,古典園芸植物の一つ.また,「万両」という名称から,縁起物として正月の飾りに用いられるなど愛好者は多い.数十の園芸品種がある.

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