ナス科
Solanaceae
ヒヨス
Hyoscyamus niger L.
- 別名
- ロウトウ

- 英名
- henbane, black henbane, stinking nightshade
- 中国名
- 天仙子,莨菪
- 花期
- 春~夏
- 生薬名
- ①天仙子(テンセンシ),莨菪(ロウトウ),②ヒヨス葉(ヒヨスヨウ)
- 薬用部位
①種子,②葉
- 産地と分布
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ヨーロッパ,アジア西部,北アフリカに分布し,山地,道端,川岸の砂地に生える.
- 植物解説
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多年草.草丈20~80 cm.茎はまばらに分枝し,葉とともに短毛と腺毛がある.葉は互生し,楕円形で羽状中裂~深裂し,長さ15~30 cm,主脈は白く太い.花は茎の上部の葉腋に横向きに付き,黄色で紫菫色の筋がある.萼は蕾形で先はやや開いて浅く5裂する.花冠は広鐘形で径は2 cm,先は開いて5裂し,裂片は丸い.
- 薬効と用途
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副交感神経を麻痺させ平滑筋を弛緩させ,微量で鎮痛,鎮痙,鎮静作用があるが,毒性が高く民間での利用は避けるべきである.硫酸アトロピンや臭化水素酸スコポラミンなどの製造原料となる.硫酸アトロピンは胃潰瘍,十二指腸潰瘍,迷走神経性徐脈,有機リン系殺虫剤中毒などに利用される.臭化水素酸スコポラミンは麻酔の前投与,パーキンソン病などに利用される.
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