熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ニレ科
Ulmaceae
ハルニレ
Ulmus davidiana Planch. var. japonica (Rehder) Nakai
別名
ニレ
ハルニレ
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  • ハルニレ
  • ハルニレ
  • ハルニレ
英名
Japanese elm, Wilson’s elm
中国名
春楡
花期
3月
生薬名
①楡皮(ユヒ),楡白皮(ユハクヒ),②楡葉(ユヨウ),③楡莢仁(ユキョウニン)
薬用部位

①樹皮,②葉,③花,果実

成分

樹皮にタンニン((+)-catechin, (+)-catechin 7-O-glucopyranoside, (+)-catechin 7-O-xylopyranoside

化学構造式

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  • ハルニレ 化学構造式1
  • ハルニレ 化学構造式2
  • ハルニレ 化学構造式3
産地と分布

北海道~九州,およびサハリン,千島列島,朝鮮,中国北部,東シベリアに分布し,山地に生える.

植物解説

落葉高木.樹高30 m.幹は直立する.葉は互生,広倒卵形ないし倒卵状楕円形で急鋭尖頭,左右不対照で縁に重鋸歯がある.翼果は扁平で卵形.

薬効と用途

各部ともに小児頭瘡,尿閉に利用する.樹皮は胃腸に熱感のある症状,不眠,たむしなどに,葉は小児の痙攣,傷暑熱,水腫,虚労などに用いる.花は傷熱,果実はたむしに用いる.いずれも服用または煎液を外用する.

樹皮を水に浸して叩きほぐしたものは縄や紐に加工された.樹皮を水に浸して得られた粘液は接着剤として利用された.

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