熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ヤナギ科
Salicaceae
イヌコリヤナギ
Salix integra Thunb.
イヌコリヤナギ
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  • イヌコリヤナギ
  • イヌコリヤナギ
  • イヌコリヤナギ
英名
中国名
杞柳
花期
3月
生薬名
薬用部位

樹皮

成分

樹皮に配糖体(salicin, salicylic acid

化学構造式

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  • イヌコリヤナギ 化学構造式1
  • イヌコリヤナギ 化学構造式2
  • イヌコリヤナギ 化学構造式4
産地と分布

 北海道から九州,および南千島,朝鮮北部,中国東北部,ロシア(ウスリー,アムール,沿海州)に分布し,水辺や湿潤の地に生える.

植物解説

 落葉低木.樹高23 m,稀に6 mに達する.冬芽は卵形で紅紫色.葉は対生あるいは互生し,多くは無柄,ときに有柄で長さ約5 mm.成葉の葉身は狭長楕円形または長楕円形,ときに狭卵状長楕円形,長さ48-10cm,幅1.52 cm,鋭頭ないし鈍円頭で微凸端,基部は円形ないし浅心形,両面とも無毛,低い再鋸歯がある.托葉はない.花穂は葉より先に現れ,細長い円柱形で密に花を付け,斜上ないしほとんど水平に開出し,柄は短く,小型の葉34個を付ける.

薬効と用途

ヤナギの仲間は世界に多くの種類があるが,どの種にもsalicinsalicylic acidが含まれている.そのため世界中で解熱薬,鎮痛薬として利用されている.Salicylic acidをヒントに合成されたacetylsalicylic acidはアスピリンの名で知られ,今日でも解熱鎮痛剤として広く利用されている.日本ではヤナギで作った楊枝(ようじ)を使うと歯が痛くならないとされる.

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