熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ユリ科
Liliaceae
チューリップ
Tulipa gesneriana L.
チューリップ
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  • チューリップ
  • チューリップ
英名
tulip
中国名
郁金香
花期
3~4月
生薬名
①欝金香(ウコンコウ),②欝金香根(ウコンコウコン)
薬用部位

①花,②鱗茎

成分

環状ケトン(tulipalin A),配糖体(tuliposide A, B)

化学構造式

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  • チューリップ 化学構造式1
  • チューリップ 化学構造式2
  • チューリップ 化学構造式3
産地と分布

トルコからヨーロッパに入ったとされるが,原産地は不明.

植物解説

多年草.草丈20~40 cm.鱗茎は卵円形.茎は直立し,単一で円柱形.葉は茎の下部に2~3個互生し,広披針形か卵状披針形で長さ20~30 cm.鋭頭で基部は軽く抱茎し波状縁.茎の頂に黄,白,赤,紫などの鐘形の花を単生する.

薬効と用途

花,鱗茎に鎮静作用があり,乾燥粉末をヒステリーに服用するという療法があるが,有毒植物のため現在は用いない.毒性の症状として,悪心,嘔吐,呼吸抑制などを起こす.栽培農家らが茎などの切断面や汁に長期間断続的に触れ,指先などに重篤な接触皮膚炎(チューリップフィンガー)を発症することがある。

アラブ諸国で古くから栽培されていた.いくつかの野生種の雑種起源とされている.ヨーロッパにはトルコを経由し16世紀に導入された.17世紀半ば,オランダでは投機の対象となり,莫大な価格で取引され「チューリップ狂時代」とよばれる.

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