熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ショウガ科
Zingiberaceae
ゲットウ
Alpinia zerumbet (Pers.) B.L.Burtt et R.M.Sm.
別名
サンニン,サニン
ゲットウ
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  • ゲットウ
  • ゲットウ
  • ゲットウ
英名
shell ginger, pink porcelain lily, butterfly ginger
中国名
艷山姜,月桃
花期
6月
生薬名
①白手伊豆縮砂(シロテイズシュクシャ)
薬用部位

①種子,根茎

成分

モノテルペン(limonene, terpinene-4-ol, -terpinene)

化学構造式

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  • ゲットウ 化学構造式1
  • ゲットウ 化学構造式2
  • ゲットウ 化学構造式3
産地と分布

九州南部~沖縄,小笠原,および台湾,東南アジア,インド,スリランカに分布し,海岸に近い山野に生える.

植物解説

多年草.草丈2~3 m.茎は葉鞘に包まれた偽茎である.葉は40~70 cm,葉縁と葉舌には毛が密生する.花序は垂れ,長さ20~30 cm,中軸に褐色の毛がある.花は長さ40~50 mm,唇弁は黄色で,中央に紅条があり,先はやや3裂する.さく果は卵球茎で,長さ20 cm内外.

薬効と用途

種子の粉末は健胃薬とする.毒虫に刺されたときは太い根茎を切り,切り口を火にあぶって患部に塗りつける.地上部をはじめ各部位が健康茶の原料として利用されている.葉から抽出される精油は化粧品,香水,石鹸,防虫剤の原料とされる.沖縄では葉鞘の繊維を製紙原料や伝統衣装(かりゆし)の材料にされたり,葉を餅の包みに利用したりされるほか,根茎を香辛料として利用する.そのほか世界各地で薬用として利用されている.

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