熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ヒルムシロ科
Potamogetonaceae
オヒルムシロ
Potamogeton natans L.
オヒルムシロ
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  • オヒルムシロ
  • オヒルムシロ
  • オヒルムシロ
英名
broad-leaved pondweed, floating pondweed, floating-leaf pondweed
中国名
浮葉眼子菜
花期
5~8月
生薬名
水案板(スイアンバン)
薬用部位

全草

成分

ジテルペン(potamogetonin, 15,16-epoxy-8 (17),13 (16),14-ent-labdatrien-20,19-olide, 10,19-dihydroxy-15,16-epoxy-8 (17),13 (16),14-ent-labdatriene)

化学構造式

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  • オヒルムシロ 化学構造式1
  • オヒルムシロ 化学構造式2
  • オヒルムシロ 化学構造式3
産地と分布

北海道~九州,および北半球の温帯域に広く分布し,北日本では湖沼や河川に広く見られ,西南日本では湧水のある河川や池沼に見られる.

植物解説

水中に生える多年草.根茎が発達し,水中茎に沈水葉と浮葉を付ける.水中茎の葉腋に越冬芽を形成する.沈水葉は葉柄と葉身の区別がなく針状,長さ12~30 cm,幅0.5~2 mm,稀に細い葉身がある.浮葉は長楕円形~広楕円形,長さ5~12 cm,幅2~5 cm,葉縁はしばしば波打つ.花茎5~12 cm,花穂3~5(~7.5)cm,密に花が付く.4心皮.果実は長さ3~5 mm,幅2~3 mm.

薬効と用途

結膜炎,歯痛,水腫,黄疸,回虫症,痔などに用いる.中国で薬用にされる.よく似たヒルムシロやフトヒルムシロと違い,本種は沈水葉が線形となることが大きな特徴.

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