熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

マメ科
Fabaceae
ネムノキ
Albizia julibrissin Durazz.
別名
ネム,ネブ,ネビ,ネムリノキ,ジゴクバナ
ネムノキ
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  • ネムノキ
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英名
Persian silk tree, pink silk tree
中国名
合歓,合歓樹
花期
5~6月
生薬名
①合歓皮(ゴウカンヒ)
薬用部位

①樹皮,②花,③小枝と葉

成分

樹皮にサポニン(julibroside A1, a-spinasterol 3-glucoside),フラボノイド(5-deoxyluteolin

化学構造式

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  • ネムノキ 化学構造式1
  • ネムノキ 化学構造式2
  • ネムノキ 化学構造式3
産地と分布

東北地方以南,四国,九州,およびイランから南アジアに広く分布し,川岸,山野に生える.

植物解説

落葉高木.樹高6~9 m.枝はほとんど無毛.葉は有柄で互生し,2回偶数羽状複葉で羽片は7~12対,小葉は36~58個,軸の両側の羽状に対生して規則正しく並び長さ7~12 mmで広披針形.茎の頂に紅白色頭状花序に付ける.

薬効と用途

樹皮は鎮痛,鎮静,強壮,利尿,駆虫作用があり,不眠,打撲,腰痛,関節痛,捻挫などに用いる.打撲,腫れ物,関節リウマチにはこの煎液で患部を洗うか湿布し,また浴湯料として使用する.黒焼きと黄柏(キハダPhellodendron amurenseの樹皮)の粉末を2:8で混ぜ,酢でよくねり合わせたものを冷湿布する.花は食欲不振や不眠症の治療に用いる.水虫や手のひらの荒れには,乾燥した小枝と葉40~50 gに焼き塩5 gを加えて水1 Lで半量に煎じ,冷めてから少量ずつ取って一日数回幹部で洗うという療法がある.

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