熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

メシダ科
Athyriaceae
クワレシダ
Diplazium esculentum (Retz.) Sw.
クワレシダ
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  • クワレシダ
  • クワレシダ
英名
vegetable fern
中国名
菜蕨,食用雙蓋蕨,過溝菜蕨
花期
花は付けない
生薬名
No Information
薬用部位

根,全草,葉

成分

フラボノイド(rutin),ステロイド(amarasterone類)

化学構造式

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  • クワレシダ 化学構造式1
  • クワレシダ 化学構造式2
  • クワレシダ 化学構造式3
産地と分布

長崎県,熊本県,鹿児島県,沖縄県,および中国,台湾,南アジア,東南アジア,南太平洋に分布し,向陽の湿地や林縁,河川敷に生える.

植物解説

草丈1 mを超える.根茎は直立し,数十 cmに達する.葉柄基部に鱗片があり,長さ1 cm,線状披針形,辺縁は黒色で突起がある.葉身は広卵形,2回羽状複生,下部羽片は短くなる.胞子嚢群は線形,中肋近くに並び,包膜は薄い膜質,不規則に裂ける.走出枝が地中を匍匐し,芽を出して繁殖するので群生することが多い.

薬効と用途

インドネシアでは根と全草を解熱薬,バングラデシュでは根を解熱薬として用いる.インドでは葉を食欲不振,および出産後の女性の滋養強壮薬に用いるほか,若芽を糖尿病治療薬として用いる.

和名,学名の通り海外では若い芽がしばしば食用にされる.

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