熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

イネ科
Poaceae
キビ
Panicum miliaceum L.
キビ
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  • キビ
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英名
proso millet, broomcorn millet, common millet, hog millet, Kashfi millet, red millet, white millet
中国名
稷,黍
花期
8~9月
生薬名
①黍米(ショベイ),②縻穣(ビジョウ)
薬用部位

①種子,②茎

成分

デンプン,タンパク質,脂質

産地と分布

インド西北部から中央アジアにかけて,もしくは中国に起源する栽培植物.

植物解説

一年草.草丈1.2~1.7 m.分げつし,稈ごとに穂を出し,枝を分ける.葉は長さ30 cm,幅1.3 cm,毛がある.複総状花序を出し下垂する.

薬効と用途

種子は下痢,嘔吐,咳,胃痛に用いる.煮て食するか,煎液を服用する.小児鵝口(口の粘膜の感染症)で乳が飲めない症状には種子の汁を塗布する.衝心性脚気には茎をよく煮込み濃い汁を取ってカスを除き,椒目(カホクザンショウの種子)を加え,さらに10回あまり沸騰させた液で足を2~3回浸し,冷えたら温めて洗う.症状がなくなったらやめる.いずれも中国で薬用にされる.

雑穀の一つとして国内では沖縄県,長野県,岩手県を中心に栽培される.そのまま炊いて食べるか,米や麦に混ぜたり,野菜と炊き込んだり,団子や餅にして食べる.

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