- 英名
- true lavender, fine lavender, English labender
- 中国名
- 薰衣草
- 花期
- 4~6月
- 生薬名
- ①ラベンダー,②ラベンダー油
- 薬用部位
①花,地上部,②精油
- 産地と分布
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スペインからギリシャにかけての地中海沿岸に分布し,観賞用,香料用に栽培される.
- 植物解説
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常緑低木.樹高1.3 m,径1 m前後の株を形成する.春に前年の枝の節から萌芽する緑色,灰緑色の4稜を持つ茎に,無柄線形の厚みのある葉を対生し,上部に輪散花序を6~10個付け,全体が穂状となる.小形の唇形花が1花序に10~20個,茎当たり50~100個を付けるが,花数は系統により変化する.花は長さ1.5 cm,径1 cm前後で,花色は淡紅紫色から濃青紫色まで非常に変化に富む.高温多湿に弱い.
- 薬効と用途
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50以上もの栽培品種があり,多くの有名品種も含まれる.ラバンディンラベンダー(Lavandula x intermedia),スパイクラベンダー(L. latifolia)とともに商業用に大規模に栽培される.ラベンダーの精油には抗不安,鎮静,抗痙攣,鎮痛,局所麻酔などの様々な臨床効果のほかに,抗酸化,抗菌,抗炎症,鎮痙などの作用がある.利用法としては,頭痛,消化不良,月経不順,疲労に乾燥花5 gに熱湯1カップを注いだものを3回に分けて1日に服用する.頭痛,不眠,興奮には乾燥花に熱湯を注ぎ,発生する蒸気を吸引する.浸出液をこめかみに塗り,マッサージしてもよい.筋肉痛,凝り,不眠,興奮には乾燥花を入浴剤にする.外傷,打ち身,虫刺され,火傷には乾燥花の浸出液で軟膏を作り利用する.
生や乾燥した葉は,ケーキやクッキーに焼きこんだり,ゼリーの香りづけなどに用いたりする.肉料理のソースにもする.同様に,レモンバームなどとブレンドしたハーブティーは,憂うつ,不安,頭痛を和らげる.ただし,妊婦は控える.葉の浸出液はスキンローション,日焼け,入浴剤にする.
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