アマ科
Linaceae
アマ
Linum usitatissimum L.
- 別名
- アカゴマ,ヌメゴマ,イチネンアマ
- 英名
- flax, line
- 中国名
- 亞麻
- 花期
- 4~6月
- 生薬名
- ①亜麻仁(アマニン),②亜麻(アマ)
- 薬用部位
①種子,②根および茎葉
- 成分
種子にリグナン(secoisolariciresinol diglucoside),脂肪油(oleic acid, linoleic acid),青酸配糖体(linamarin)
- 産地と分布
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中央アジアの原産で,世界各国で栽培される.
- 植物解説
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一年草.茎は細く,草丈1 m内外.上の方で分枝する.葉は互生し,線形で先端が尖り,長さ2~3 cm.青紫色から白色の5枚花を集散花序に付ける.花の径約1.5~2 cm,萼片は5枚で鋭く尖り,3脈がある.雄しべ5本,仮雄しべ5本,子房には長い花柱が5本ある.さく果は胞間で開く.種子は長楕円形,扁平で表面が滑らかで黄褐色.
- 薬効と用途
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種子は強壮,緩下作用があり,便秘,病後の虚弱などのほか,湿疹,脱毛,めまいなどに用いる.かつてはハンセン病や肺結核の治療にも用いられた.また,皮膚のかゆみには潰して外用する.
種子を圧搾して得た亜麻仁油は,食用のほか軟膏の基剤,石鹸,印刷インク,絵具などの原料となる.
茎と葉は頭痛,切り傷(外用)に用いる.根はつき潰して打撲や捻挫に外用する.
茎の繊維は衣類などのリネン製品となる.紀元前1000年頃から栽培が始まっており,木綿が一般化するまでは主要な繊維原料であった.リネン繊維は光沢と通気性があり,夏用の衣服,肌着,シーツなどに用いられる.
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