アオイ科
Malvaceae
キヌワタ
Gossypium hirsutum L.
- 別名
- リクチメン,リクチワタ
00:00 / 00:00

- 英名
- upland cotton, Mexican cotton
- 中国名
- 陸地棉
- 花期
- 8~9月
- 生薬名
- ①綿実(メンジツ),②綿根皮(メンコンピ)
- 薬用部位
①種子,②根皮
- 産地と分布
-
中央アメリカ原産.
- 植物解説
-
栽培される一年草.葉は互生し,広卵形で径5~12 cm,掌状に3裂,まれに5裂することもある.裂片は広い三角状の卵形で,先端は尖り,下面は柔らかい毛が生える.葉柄は長さ約10 cm.花は葉柄より短い花梗の先に単生する.小苞片3枚は分離して基部は心形.雄しべは多数が合着し,1本にまとまって花冠中央にある.花は朝咲いて夕方にしぼむ.さく果は長さ5 cmの卵形で,成熟すると3裂し,それぞれの室に5~7個の種子があり,表面に長い綿毛が生える.
- 薬効と用途
-
種子には催乳作用がある.種子を搾った油は綿実油といい,サラダ油やオリーブ油の代用とし,マーガリンや石鹸の原料になる.搾りかすは肥料,家畜の飼料になる.新鮮な根皮は通経,陣痛促進剤になる.
ワタの栽培は古く,4~5000年前,インドのインダス川流域でワタの繊維が利用されるようになった.ペルー北部の海岸遺跡からは,紀元前3000年ごろの綿のレース織物が出土している.日本へは元禄年間(16世紀半ば)に経済的栽培が始められた.近畿地方を中心に栽培され,明治初期には日本だけでも200の綿の品種があったが,現在では40品種ほどしか残っていない.現在世界で栽培されている70%が本種であるが,日本の栽培品種はインドワタ(別名アジアワタ,G. arboreum)であった.
参考文献についてお知りになりたい方はお問い合わせください。