熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ミカン科
Rutaceae
カホクザンショウ
Zanthoxylum bungeanum Maxim.
カホクザンショウ
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英名
Chinese pepper, Chinese prickly-ash, flatspine prickly-ash
中国名
花椒
花期
4~5月
生薬名
①蜀椒(ショクショウ),花椒(カショウ),②椒目(ショウモク)
薬用部位

①果皮,②種子

成分

モノテルペン((+)-limonene, b-myrcene, trans-b-ocimene)

化学構造式

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  • カホクザンショウ 化学構造式1
  • カホクザンショウ 化学構造式2
  • カホクザンショウ 化学構造式3
産地と分布

中国に分布し,山地の斜面,向陽の低木林,道端などに生える.

植物解説

落葉低木または小高木.樹高3~7 m.幹はまばらに分枝し,トゲがある.葉は互生し,奇数羽状複葉で小葉は5~9個,卵形か卵状楕円形で長さ1.5~7 cm,急尖頭か短漸尖頭で細鈍歯牙縁.枝端に小さな花を集散状の円錐花序に付ける.花は単生.

薬効と用途

本種は中国原産で日本にはない.江戸時代に本種の果皮(蜀椒)の代わりにサンショウの果皮(山椒)が使われるようになったが,山椒の方が薬効的に優れていたため現在もサンショウが用いられている.両者の薬効は程度の差はあるが,ほぼ同じと考えられている.薬効はサンショウを参照.漢方処方は解急蜀椒散に配合されるが,山椒で代用されている.中国では歯痛のときに噛むという療法がある.

中華料理では塩と混ぜた花椒塩や醤油と混ぜた花椒油などの調味料として利用されている.日本にも食品として多く輸入されている.

種子は利水,鎮咳作用があり,浮腫や腹水,喘息などに用いる.

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