熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ウルシ科
Anacardiaceae
ウルシ
Toxicodendron vernicifluum (Stokes) F.A.Barkley
ウルシ
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  • ウルシ
  • ウルシ
英名
Chinese lacquer tree
中国名
花期
5月
生薬名
乾漆(カンシツ)
薬用部位

乾燥させた樹脂

成分

フェノール誘導体(urushiol類),ポリフェノール(rhusopolyphenol G, H, I)

化学構造式

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  • ウルシ 化学構造式1
  • ウルシ 化学構造式2
  • ウルシ 化学構造式3
産地と分布

中国,インド,ヒマラヤの原産で,日本には奈良時代に渡来し,各地で栽培される.

植物解説

落葉高木.幹は太く,樹高は薬10 m.樹皮は灰色で,老成すると裂け目を生じる.雌雄異株.葉は奇数複葉で枝の先に互生し,秋に紅葉する.葉腋の円錐花序に多数の黄緑色の小さな花が咲く.核果は光沢があり,ゆがんだ球形.

薬効と用途

駆虫,駆瘀血(血の滞りを消す)などの作用があり,無月経,腹部腫癭,寄生虫症などに用いる.扁桃腺炎には火にくべて煙を吸入する.ウルシはかぶれやすいことが知られるが,これはウルシオールの刺激によるものである.

樹脂を生漆(しょうしつ)といい,乾燥すると表面は茶褐色でざらざらした塊状になるが,これが乾漆である.これは,ウルシ液の中のウルシオールがラッカーゼという酵素の作用により空気中で酸化され,高分子化してできたものである.このようにウルシ液が空気中で酸化され,黒変して硬くなり,耐久性が出ることから食器や工芸品,ピアノなどの塗料や接着剤として利用される.漆塗りの技術は中国から伝わったが,日本の温度や湿度と合っていたため日本で独自に発展した.

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