熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

キンポウゲ科
Ranunculaceae
クレマチス・アルマンディー
Clematis armandii Franch.
クレマチス・アルマンディー
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  • クレマチス・アルマンディー
  • クレマチス・アルマンディー
英名
Armand clematis, evergreen clematis
中国名
小木通
花期
3~4月
生薬名
川木通(センモクツウ)
薬用部位

木質化した茎

成分

リグナン(armandiside, liriodendrin, salvadoraside)

化学構造式

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  • クレマチス・アルマンディー 化学構造式1
  • クレマチス・アルマンディー 化学構造式2
  • クレマチス・アルマンディー 化学構造式3
産地と分布

中国の広西,広東,湖北,湖南,峡西,四川,貴州,雲南省に分布し,林縁などの半陰地に生える.

植物解説

つる性常緑低木.樹高約5 m.茎は紅紫色か黄褐色で条紋がある.葉は対生し,有柄の3出複葉で小葉は卵状披針形か披針形,長さ6~14 cm,長尖頭で全縁,基部は円形か円心形.茎の頂と葉腋に白色の花を円錐花序に付ける.そう果は平たく,長さ約3 mm,羽状の花柱は5 cmになる.

薬効と用途

清熱,利水,催乳作用があり,腎臓病,水腫,淋病,月経異常,急性腎炎,小便不利,乳汁不足などに用いる.
日本で木通と言えば,アケビ科のアケビ,ミツバアケビのつる性の茎を指すが,中国ではウマノスズクサ科,キンポウゲ科といった植物学的にも成分的にもかけ離れていて,共通点は蔓性の木本植物の茎というだけのものが〇〇木通という名のもとに使われている.
寒い時期に純白の花を大量に付け美しく,観賞用に栽培される.

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