熊本大学薬学部薬用植物園 植物データベース

ススキノキ科
Xanthorrhoeaceae
ノカンゾウ
Hemerocallis fulva L. var. disticha (Donn ex Ker Gawl.) M.Hotta
ノカンゾウ
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  • ノカンゾウ
英名
orange daylily, tawny daylily, tiger daylily, fulvous daylily, ditch lily
中国名
長管萱草
花期
7~9月
生薬名
①金針菜(キンシンサイ)
薬用部位

①蕾,②根,葉

成分

花にアミノ酸(hydroxyglutamic acid),根にアミノ酸(asparagine, lysine)

化学構造式

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  • ノカンゾウ 化学構造式1
  • ノカンゾウ 化学構造式2
  • ノカンゾウ 化学構造式3
産地と分布

本州から沖縄,および中国,台湾に分布し,溝の縁や原野に見られる.

植物解説

多年草.根茎は這い,根に時にふくらみがある.葉は長さ50~70 cm,上部に小型の苞が付く.花序は2分してそれぞれに10花内外が開く.花弁は橙赤色でほとんど同形,長さ7~8 cm,先はやや反り返る.結実することは少ない.

薬効と用途

蕾は解熱作用が,根と葉は利尿作用がある.はれものには根を砕き,患部に厚く貼る.
新芽は天ぷら,和え物,酢の物,油炒めなどで,蕾は中国料理で炒め物などで食べる.
熊本県で現在野生が知られる自生地は1カ所のみであり,県の条例で「指定希少野生動植物」になっている.

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